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日本産業動物獣医学会 受賞

 令和4年9月4日に大分県主催(開催県。しかし、新型コロナ感染症拡大防止のため動画審査で実施。)で開催された日本産業動物獣医学会において、以下のとおり共同獣医学部の学生4名が各賞を受賞しました。

【九州地区学会長賞 受賞】

河野亜紀さん(共同獣医学研究科1年生)

 発表演題:「肺炎罹患黒毛和種子牛におけるエンロフロキサシンの気管支肺胞領域への移行性」

 これまで明らかにされていなかった肺炎罹患黒毛和種子牛の気管支肺胞領域への抗菌薬(エンロフロキサシン)の移行性を詳細に証明したもので、世界で初めての報告です。
 本演題の知見を臨床に活用することにより、多くの肺炎罹患黒毛和種子牛が救命されることが期待されます。

田原和貴さん(共同獣医学部6年生)

 発表演題:「Mycoplasma bovis 臨床分離株における最小発育阻止濃度の決定とキノロン耐性決定 領域の遺伝子変異」

 牛肺炎の主要原因菌である Mycoplasma bovis の薬剤感受性試験法の問題点を明らかにするとともに、その原因を解明し、今後の検査法の指針を示した世界で初めての報告です。
 本演題の知見を Mycoplasma bovis の薬剤感受性試験法に活用することにより、より正確な結果が得られ、牛肺炎の抗菌薬療法に有益な情報をもたらすことが期待されます。

【奨励賞 受賞】

和田実央理さん(共同獣医学部5年生)

 発表演題:「フルオロキノロン系抗菌薬は乳房炎乳汁由来大腸菌のバイオフィルム形成を阻害する」

 乳房炎の難治化に関与する大腸菌が形成するバイオフィルムをフルオロキノロン系抗菌薬が阻害することを証明した報告です。
 本演題の知見を乳房炎の治療方針の決定に応用することにより、乳房炎の治癒率が向上することが期待されます。

井上永愛さん(共同獣医学部2年生)

 発表演題:「馬クッシング病のスクリーニング検査法としての食前血糖値に対する食後血糖値増加率測定の有用性」

 高齢馬が罹患しやすいクッシング病の簡便な検査法を見出した報告です。
 本演題の知見を馬クッシング病の早期発見に応用することにより、馬クッシング病に続発し、馬の致命傷となりかねない蹄葉炎の発症を未然に防ぐことが期待されます。