フォトギャラリー(写真等)
同窓会会長挨拶

紫友同窓会会長 鶴田 勉(昭和49年卒)
紫友同窓会会員の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より同窓会の運営・活動にご理解・ご支援・ご協力を頂き、心より感謝いたします。
今年度より鹿児島大学の改組により、共同獣医学部は共同獣医学科・畜産学科の二学科になったため、獣医以外で初めて畜産学科の新入生が紫友同窓会に入会しました。また曾於市に共同獣医学部附属の南九州畜産獣医学教育研究センター(SKLV)が、実践的教育や学び直しを実施し国際的な獣医師の養成、防疫や衛生管理の技術向上、全国の畜産・獣医学部生の受け入れを目的として発足し、共同獣医学部の帆保教授がセンター長に就任されました。
紫友同窓会は、鹿児島大学の各学部同窓会の連合組織である「鹿児島大学同窓会連合会」に加入し、大学との連携及び協力・各学部同窓会間の交流及び連携の推進その他本会の目的に沿った事業活動に参加しております。来年度の同窓会連合会総会は共同獣医学部の当番ですが、同窓会連合会が2025年4月に創設20周年を迎えることや、新型コロナウイルス感染症のため開催見送りになっていた「鹿児島大学ホームカミングデー2025」を鹿児島大学の近況に触れ恩師や職員、学友との交流・親睦を深め、相互の発展と大学との連携強化を図るため同窓生を対象としたイベントとして、同窓会連合会総会とコラボして実施することになっております。また来年度は紫友同窓会総会の開催も予定しておりますので、お忙しい中恐縮ですがご参加よろしくお願い申し上げます。
学部長挨拶

共同獣医学部近況報告
共同獣医学部・学部長 遠藤 泰之
鹿児島大学共同獣医学部は、令和6年4月に13年目を迎え、今年度より私が第5代共同獣医学部長を拝命することとなりました。歴代の学部長が築き磨き上げてきたこの共同獣医学部を、さらに発展させるべく努力してまいりますので、紫友同窓会の皆様のご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
皆様ご存知のように、共同獣医学部における獣医学教育に関しては、2019年4月に第三者評価機関である大学基準協会による獣医学教育認証を共同獣医学部として取得し、さらに同年6月には、欧州獣医学教育機関協会(European Association of Establishments for Veterinary Education: EAEVE)による公式最終審査を受審し、アジア地域においては初となる完全認証を受けています。この国際的な獣医学教育機関においては、すべての動物種とすべての獣医業務に関する教育が、すべての学生に対して実施されることが義務付けられていますが、鹿児島大学共同獣医学部はこれを実践できる我が国では数少ない獣医学教育機関の一つであります。この教育課程の実践に関し、紫友同窓会の皆様には学外実習やインターンシップ等を通じて多大なるご協力を頂いており、この場を借りて厚く御礼申し上げる次第です。月日が経つのは早いもので、EAEVEによる完全認証を受けた後に卒業生を輩出するに至り、一部の卒業生にはなりますが、2020年ならびに2024年の獣医学科卒業生が英国における獣医師としての資格取得に至ったことは特筆すべきことだと思います。2025年には再認証評価が控えておりますので、認証再取得に向けて邁進してまいりたいと思います。
鹿児島大学共同獣医学部は、日本有数の畜産地帯である鹿児島県に位置している獣医学部ということもあり、学部附属施設として曽於市の財部高校跡地に南九州畜産獣医学教育研究センター(SKLVセンター)を整備しました。この産学官連携事業の象徴とも言えるこの施設は、令和6年4月から本格稼働し始め、自大学のみならず他大学からも獣医学ならびに畜産学を学ぶ実習生の受け入れの開始に至りました。まだ年度途中ではありますが、今年度はのべ100名以上の学生の受け入れが見込まれている状況です。また定期的な卒後研修セミナーも、当センターに所属する動物衛生学とあるいは産業動物臨床獣医学を専門とする教員により開講されており、地域へも大きく貢献しています。さらに本施設は一般の方々にも開放されており、乗馬体験やカフェの利用など、半年ほどで1万人以上の来場者があり、その反響は大きいものでした。
また令和6年度より共同獣医学部は2学科制へと移行いたしました。山口大学との共同教育課程を取る獣医学科は共同獣医学科に名称変更し、これに加えて畜産学科が新設された形となりました。前述のように、畜産県である鹿児島の特色を全面に打ち立て、畜産学と獣医学の素養を学ぶことのできるハイブリッド教育カリキュラムを組みました。「畜産学」と「獣医学」は、産業動物、伴侶動物、野生動物等を対象とする動物科学であり、お互いに密接な関わり合いを持っています。近年は、ヒトと動物の健康とそれらを取り巻く地球環境を一つの学問領域として捉えるOne World・One Health(OWOH)という概念が浸透していますが、畜産学に関しても、動物福祉と地球環境に配慮した飼養管理、育種改良と繁殖を実践し、良質な畜産物や加工品を安全かつ安定的に供給する、といったことが我々の食と豊かな生活の構築に貢献するという点でつながっています。畜産の盛んなこの鹿児島において、OWOHの概念のもと畜産業を支えていく畜産技術者を養成していきたいと考えています。さらに畜産学科においては、近年国家資格化された愛玩動物看護師の受験資格を得ることも可能としました。愛玩動物看護師の国家試験受験資格が得られる教育課程を取得したのは、国立大学では全国で初となります。今後輩出される畜産学科の学生も、共同獣医学科の学生同様に、紫友同窓会の会員となりますので、よろしくお願い申し上げます。
この鹿児島という九州最南端の地に、獣医学と畜産学を柱とする動物科学を実践する拠点が、鹿児島大学共同獣医学部という形で大きく発展しつつあります。OWOHの概念を実践できる獣医師、ならびに畜産技術者の養成に関する教育改善に終わりはありませんが、我が国ならびに世界も見据えた人材を輩出できるような学部となるよう取り組んで行きたいと思います。引き続き紫友同窓会の皆様には、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
令和6年11月28日
事務局からの連絡


令和7年度 共同獣医学部紫友同窓会総会が行われました。
日 時:令和7年7月19日(土) 15:00〜
場 所:農・獣医共通棟 101 講義室(写真上)
鶴田会長のご挨拶の後、松元副会長が議長氏名を受け、新役員(案)、令和6 年度事業報告(案)、令和6 年度決算(案)、令和7 年度事業計画(案)、令和7 年度予算(案)、総会の定期開催について諮り、承認されました。また遠藤学部長から学部の現況報告、および松元副会長から同窓会連合会報告がありました。総会終了後(17:00~、学内レストラン、ベジマルシェにて)は、学内にて懇親会が開催されました(写真下)。
令和7年度 紫友同窓会事業計画書
会員相互の親睦と専門技術の向上を図り,併せて母校の発展に寄与するために以下の事業を行う。
- 同窓会の健全な運営を図るため、会員の消息確認、並びに同窓会費の納入率向上に努める。
- 会員数(令和7年4月1日現在)
卒業生 2,633名+修了生 10 名 = 2,643名
逝去者 692名+消息不明 383名 = 1,075名
連絡可能会員 1,558 名、会費免除会員 387名(新規会費免除:昭和40年卒業生)
(別途,在学生:獣医学科188名、畜産学科61名) - 会費納入の案内:令和8年1月 会費払込用紙の発送を予定。
納入予定者数 500 名(42.6%) 対象会員1,171名
- 会員数(令和7年4月1日現在)
- 同窓会の運営を円滑にするため、評議員会、事務局会議の開催。
事務局会議 令和7年5月14 日(水) 17時00分 学部内
総会 令和7年7月19 日(土) - 会員相互の情報交換の場として、会報を年1 回発行する。
- 紫友同窓会名簿発刊。
- 卒業生間の親睦を図るために節目(卒業後10, 20, 30, 40, 50, 60 年)のクラス会等への補助を行う。
- 新卒業生へのベストクラスメート賞の贈呈および卒業記念祝賀会の共催を行う。
- 在学生と同窓会とのコミュニケーションを図るため、講演会や交流会を開催し、同窓会への加入を促進する。
- 母校への教育支援を図るために学術基金納入の更なる促進に努めると共に、大学、学部との連携を密にして情報の共有に努める。実習に発生する旅費の一部を補助する。
- 鹿児島大学同窓会連合会に参加し、事業協力を行う。
- その他
次年度から、総会を定例開催し、学生会員も参加することが承認された。
次年度の総会は、令和8年7月19日(日)に開催されます。
令和7年7月


令和7年度 共同獣医学部新入生オリエンテーションが行われました。
日 時:令和7年4月3日(火) 9:00〜
場 所:農・獣医共通棟 204 講義室
入学式に先立って、共同獣医学部では、令和7年度新入生62名(共同獣医学科32名、畜産学科30名)を迎え、オリエンテーションが開催されました(写真上)。新入生の男女比は1:3(共同獣医学科は1;2、畜産学科は1:5)と今年も女子学生が優勢で、出身地は全国に拡がっています。紫友同窓会を代表して鶴田勉会長が出席され、入学生に対してお祝いのメッセージを贈りました。新入生の皆さんには、紫友同窓会によるこれまでの「母校(学部)」へ様々な支援活動を理解いただき、同窓会への加入をお願いし、60名に入会していただきました。)
オリエンテーション終了後、クラス担任との既修得単位申請書類作成の様子(写真下)
令和7年5月

獣医学研究棟A玄関前での記念撮影


鶴田紫友同窓会長から
ベストクラスメイト賞が授与されました。
令和6年度 共同獣医学部・共同獣医学研究科 学位記授与式が行われました。
日 時:令和7年3月25 日(火) 15:30〜16:30
場 所:農・獣医共通棟 204 講義室
式次第:
1) 祝辞:遠藤共同獣医学部長(研究科長)
2) 学位記授与:遠藤共同獣医学部長(研究科長)
3) 稲盛賞表彰:遠藤共同獣医学部長
4) 日本獣医師会表彰状授与および祝辞:田﨑鹿児島県獣医師会長
5) ベストクラスメイト賞授与、記念品贈呈および祝辞:鶴田紫友同窓会長
6) 研究科長賞授与:遠藤研究科長
7) 学生代表答辞
令和6年度学位授与式では、29名の卒業生に学位記が授与されました(写真上段)。授与式には、紫友同窓会を代表して鶴田勉会長が出席され、卒業生に対してお祝いのメッセージを贈られた後、卒業生全員に向けた「ベストクラスメイト賞(金4万円)」を、クラス代表の学生に渡しました(写真中下段)。
同日夕に開催されました卒業生と教職員による卒業祝賀会には、紫友同窓会から鶴田会長と西中川駿顧問が招待されました。松元光春副会長も参加されていたということでした。同祝賀会開催にあたり、紫友同窓会から寄付(金10万円)をさせていただきました。
令和6年度は卒業生29名全員が、令和7年度の紫友同窓会年会費と学術基金を早々に納付いただきました。本学共同獣医学部の新入生及び在校生を支援し、本学部の教育・研究の発展に貢献いただける若手の卒業生会員が、新たに生まれたことを大変喜ばしく思います。
令和7年3月31日
紫友同窓会会報9号を発行しました。
過去のものを含め、以下からPDFデータで閲覧が可能です。
・鹿児島大学共同獣医学部紫友同窓会_会報1号
・鹿児島大学共同獣医学部紫友同窓会_会報2号
・鹿児島大学共同獣医学部紫友同窓会_会報3号
・鹿児島大学共同獣医学部紫友同窓会_会報4号
・鹿児島大学共同獣医学部紫友同窓会_会報5号
・鹿児島大学共同獣医学部紫友同窓会_会報6号
・鹿児島大学共同獣医学部紫友同窓会_会報7号
・鹿児島大学共同獣医学部紫友同窓会_会報8号
・鹿児島大学共同獣医学部紫友同窓会_会報9号
令和7年度 共同獣医学部紫友同窓会総会のご案内
下記の日程で、紫友同窓会総会開催の準備を進めています。
日時:令和7年7月19日(土)15:00~
場所:鹿児島大学農学部共同獣医学部共通棟講義室(鹿大正門から正面の校舎、旧1号館)
※ 総会終了後は、共同獣医学部施設案内と懇親会を予定しております。会員の皆様におかれましてはご出席くださいますよう、お願い申し上げます。
※ 下記のURLより、確認アンケートへの回答をお願いいたします。
https://forms.office.com/r/7aRkgVfa4P
令和6年度同窓会費等納入のお願い


皆様からいただいた会費や基金は、会報や名簿の発行、母校共同獣医学部の支援に有効活用させていただいております。今年度は、動物慰霊祭の献花への支出や、南九州畜産獣医学教育研究センターの支援基金である「鹿児島大学SKLVセンター基金」への寄付(50万円)をさせていただきました。
当該基金はSKLVセンターで実習を受ける本学学生の宿泊費等に充当させていただいております。今後とも、同窓会活動へのご理解とご支援をよろしくお願いいたします。なお、SKLVセンター基金につきましては、以下の2つのURLからアクセスできます。
共同獣医学部ホームページ
https://www.vet.kagoshima-u.ac.jp/facilities/sklv/kikin/
大学ホームページ
https://www.kagoshima-u.ac.jp/kifukin/post-22.html
本年度も同窓会の年会費(2,000円)および学術基金(寄附金、2口1,000円)の納入をお願いいたします。2025年1月発行予定の同窓会会報発行に併せて振込用紙を郵送させていただきます。
令和6年度共同獣医学部紫友同窓会活動報告

令和6年度紫友同窓会評議員会を下記の日程で開催しました。
日時:令和6年7月14日(日) 17:00より
場所:[HINATA]
鹿児島市東千石町3-41 キャパルボ3階
1. 議事
1) 新役員について
2) 令和5年度事業報告、決算について(監査報告)
3) 令和6年度事業計画、予算(案)について
4) その他
2. 報告事項
1) 共同獣医学部の現況
2) 同窓会連合会報告
3) その他
同窓会報告
昭和50年(1975)獣医学科卒業生卒後50周年記念同窓会を開催

今年、令和7年5月24日(土)18:00~ 鹿児島中央駅前のホテルタイセイアネックスにおいて、恩師の西中川駿名誉教授および紫友同窓会の鶴田勉会長(1年先輩)のお二人をお招きし、昭和50年(1975)獣医学科卒業生同窓会を開催致しました。
前回は平成29年6月に開催しており、8年ぶりでしたが、今回は、奇しくも卒後50年の節目にあたる記念すべき開催でした。遠くは、東京、長野からの参加もあり、14人の同窓生が集まりました。
当日は朝から午後2時頃までは九州南部が集中豪雨に見舞われ、開催が危ぶまれましたが、幸い午後3時過ぎから雨は止み、開催前の“母校キャンパス・ミニツアー”(5人の参加)も支障なく実施できました。物故者2名に対する黙祷の後、参加者全員が、各自の現在の生活状況を仕事や趣味、あるいは健康状態などを含めて、面白くおかしく紹介してもらいました。
二次会は近くの居酒屋に場所を移して、話は尽きなかったのですが、10時半過ぎに閉会となりました。互いの健康を気遣いながら、次回の同窓会での再会を願いながら、50周年記念同窓会は無事終了しました。
(記 髙瀬公三)
平成27年獣医学科卒業生号総会報告

平成27年卒業 藏元 智英
10年前、私たちは夢と希望を胸に卒業式を迎えました。それからあっという間に年月が流れ、この度、卒業以来初めての同窓会が鹿児島市で開催されました。2024年11月2日、ちょうど「おはら祭り」で市全体が活気に溢れる中、鹿児島天文館付近で私たち獣医学科の同期は久しぶりに顔を合わせました。
当日は、全国各地から16人の同期が集まり、仕事や遠方のため参加できない者もいましたが、クラスのほぼ半数が揃いました。多忙を極める日々を送る中で、このような再会ができたことは、まさに奇跡のように感じます。
同窓会では、それぞれがどのような道を歩んできたかを共有する時間が持たれました。地方公務員として激務の中でも責任ある仕事に誇りを持って取り組む同期や、伴侶動物獣医師として多忙な日々を送りながらも、幅広い症例に対応する同期の話には、私自身も大変刺激を受けました。中には自分の動物病院を開業し、地域医療に貢献している者もおり、10年の時を経てそれぞれが成長した姿を目の当たりにしました。また、家庭を持った者も増え、子育ての楽しさや難しさを共有する時間もありました。今回参加できなかった同期の何人かとはテレビ電話にて同窓会に参加してもらいました。
学生時代の忘れがたいエピソードも多く語られました。初めて動物に触れた解剖実習や、1週間泊まり込みで行った入来牧場での実習の楽しさなど、話し始める当時の記憶が鮮明に蘇ります。特に高学年時の病院実習では、未経験の状況の中で日々の診療に取り組み、獣医師としての不安を感じつつも、仲間と共に頑張った思い出が今でも心に残っています。その後の卒業論文の作成や国家試験の準備期間も、睡眠時間を削りながら仲間と共に乗り越えた大切な思い出です。
その後は2次会、3次会、4次会と夕方6時に始まった同窓会は、夜中の4時まで続き、まだまだ話し足りない中お開きとなりました。笑い声と歓声が絶えない中、私たちはかつての思い出を語り合い、未来への展望を共有しました。同窓会を通じて、再び互いを認識し、新たな絆を深めることができました。また、次回の同窓会に向けて、より多くの同期が参加できるよう計画を立て始めています。
この記事を通じて、参加できなかった同期にも当日の様子を伝え、次回の再会に繋がることを願っています。時間が経つほどに深まる同期との絆を大切に、これからも互いの歩みを支え合っていければと思います。
寄稿文
鹿児島大学の学生と教員生活を振り返って

宮本 篤 (昭和57年学部卒、59年修士修了)
紫友同窓会会員の皆様には日頃より同窓会活動にご理解とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。私事で恐縮ですが、2024年3月末をもって母校を定年退職いたしました。長年に亘って教員生活を大過なく終える事ができましたのも、ひとえに会員の皆様と大学教職員の皆様のお陰であり、ここに厚く御礼申し上げます。
少し過去を振り返りますと、学生時代は3年生後半より家畜生理学教室に所属し、恩師の稲田七郎先生および長野慶一郎先生のご指導の下、犬の尺骨神経と腓骨神経の感覚神経伝導速度の研究に従事し、その成果は私の最初の論文となりました。就職した徳島県鳴門市の(株)大塚製薬工場では一般薬理を担当し、摘出血管や内皮細胞の実験など様々な実験をする機会に恵まれました。大学へ戻ってからは西尾晃先生および石黒茂先生のご指導の下、牛、豚、馬の脳血管の調節機序の解明に取り組みます。その時、大学院生として心血管の研究を行っていたのが小尾岳士先生です。博士(獣医学)取得後は、ボストンのハーバード大学医学部でブラジキンンの研究をされていたJames K. Liao 先生に手紙を送ったところ、受諾の返事が届き、1年間海外留学の貴重な機会を頂きました。研究はブラジキンンとアルコールのG蛋白質への影響で2つとも論文に出来きて大変幸運でした。そこには論文で引用した先生もいたのも驚きでした。鹿児島へ戻ってからは、脳血管の研究を進め、哺乳類ではマウス、シカ、コウモリ、イルカ(Islam,M.Z)で、鳥類では鶏と鴨(Wu,S)で、爬虫類ではハブとトカラハブ(大田和君)で調べることが出来ました。血管機能性成分の研究ではラクトフェリン(原田悦郎先生)、冬瓜(岩井純夫先生)、ヨモギ、イチョウ、エンジュ(Ha, T.T.N)等を脳血管や内皮細胞等を使って研究しました。マグネシウムと長寿との関連性は家森幸男先生との共同研究でした。そこには多大な貢献をしてくれた白石光也先生および学部学生の存在があり本当に人との出会いに恵まれたと感謝しております。
獣医学教育の制度もこの間大きく変わりました。私が大学へ入学した年から獣医師国家試験の受験資格が学部4年+修士課程2年の6年間となり、試験方法もマークシートが採用されました。6年後には学部1貫の6年教育となります。現在の研究棟Bおよび軽種馬診療センターも新設されました。農学部獣医学科から学部独立の話は、初めは山大、鳥大、宮大、鹿大の4大学の獣医学科が九大へ行って学部になる統合案でしたが実現せず、次に博士課程の大学院を4大学で作ることになり1990年に連合獣医学研究科が山口大学を基幹校として設置されました。更に共同獣医学部の設置が4大学で話し合われましたが、最終的には2012年に山大と鹿大に設置され、2018年には共同獣医学研究科が山大および鹿大に博士課程の大学院として設置されました。海外の教育認証としてEAEVE(欧州獣医学教育機関協会)、動物のケアと使用に関するプログラムの認証としてAAALAC International(国際実験動物ケア評価認証協会)を取得できたことは鹿児島大学の大きな成果です。2015年には総合動物実験施設が、2017年には動物病院が新設され、2023年10月には南九州畜産獣医学教育研究センターが学部附属施設として設置され、2024年4月には曽於市財部町に南九州畜産獣医学拠点(SKLV=スクラブ)が開設されました。
最後になりましたが、会員の皆様の益々のご活躍とご健勝ならびに母校の益々のご発展を祈念し、退職のご挨拶とさせていただきます。
SKLVセンターの現状とこれから


共同獣医学部附属南九州畜産獣医学教育研究センター長 帆保 誠二
鹿児島県曽於市と鹿児島大学は、内閣府や日本中央競馬会の協力の下、曽於市旧財部高校跡地に南九州畜産獣医学拠点(SKLV(スクラブ))を設置し、畜産学や獣医学に関わる実践教育を実施しています。また、本学は令和5年9月30日に全国の畜産学及び獣医学を学ぶ学生を主な対象とした実践的な畜産獣医学教育を提供する教職員組織である「共同獣医学部附属南九州畜産獣医学教育研究センター(SKLV(スクラブ)センター)」を設置しました。
SKLVにおける実習は、畜産学・獣医学を学ぶ学生に対して、施設内外で飼養される動物(牛・馬・豚・鶏)を用いたSKLVセンター教員による管理・衛生指導や診療等を通じて提供するものであり、動物衛生学や産業動物臨床獣医学に必要な実践的な知識・技能を習得させることを目的としています。併せて、SKLVセンターは、農業共済組合・獣医師会・自治体等との連携活動を通じて、家畜共済事業の役割、家畜診療所や家畜保健衛生所等の業務について理解させることにより、将来の産業動物獣医師の確保に資することを目的としています。
SKLVセンターには、常勤教員5名、常勤事務員1名及び兼務教員4名が配置されており、多角的な臨床実習研修カリキュラム(牛・馬・鶏・豚ベーシックコース(総合コース)、牛専修コース、馬専修コース、衛生専修コース)を、学年や学生の希望により提供しています。
現在のところ、全国の獣医系大学から53名の学生を受け入れ、少人数での5日間にわたる実践的な実習を提供しています。本年度内の受け入れ学生数は130名程度となる見込みです。また、畜産業従事者を主体としたSKLVセミナーを多分野にわたり開催し、現時点で400名を超える受講者を受け入れています。
SKLVホームページ
https://sklv-soo.jp/kadai-sklv-center/
○ 在学生からの寄稿
同窓会員の皆様、私たちの実習を支援いただきありがとうございます。
皆様のおかげで、有意義な学外実習に取り組むことができました。
来年度からは私も同窓会の一員として、少しでも貢献できるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願い致します。
江崎赳夫(獣医学科6年生)
この度は、紫友会の皆様からの温かいご支援を賜り、誠にありがとうございました。
皆様のおかげで実習を円滑に行うことができ、大変感謝しております。
今後も感謝の気持ちを忘れず、精進してまいります。後輩にも変わらぬご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
石垣桃子(獣医学科6年生)
役員名簿
令和6(2024)年7月 評議会承認
顧問 | 西中川駿( 36 )、新納時英( 44 ) | |
---|---|---|
会長 | 鶴田勉( 49 ) | |
副会長 | 栫哲郎( 44 )、伊地知洋幸( 54 )、松元光春( 55 )、宮本篤( 57 ) | |
監事 | 高瀬公三( 50 )、吉満文隆( 57 )、川原成明( 61 ) | |
評議員 | 選出母体 | 評議員 |
県農政部 | 福重哲也( 03 ) 内村江利子( 09 ) | |
県生活衛生課 | 迫田豊秋( 06 ) 横山竜也( 14 ) | |
試験場関係 | 大小田勉( 62 ) | |
中央家保 | 大園浩之( 02 ) | |
県食肉検査所 | 我部山厚( 04 ) | |
市農林部 | 東原孝( 02 ) | |
市食肉検査所 | 尾堂憲司( 04 ) | |
市動物公園 | 桜井晋子(6) | |
経済連 | 川畑忠祐( 13 ) | |
開業 | 西洋志( 11 ) | |
鹿児島大学 | 瀬戸山健太郎( 12 ) | |
一般 | 松元計士( 36 )、石黒茂( 41 )、安田宣紘( 43 )、田原 健( 45 )、櫻井幹男( 51 )、北野良夫( 52 )、紺家亮爾( 52 )、山下静馬( 53 )、上村祐子( 56 )、西田浩二( 56 )、徳田祐二( 57 )、佐々木幸良( 58 ) | |
紫友同窓会事務局 | 事務局長(総務) | 三角一浩( 61 ) |
庶務(企画・事務局担当) | 帆保誠二( 62 )、蔵元智英( 27 ) | |
(渉外) | 畠添孝( 08 )、安藤貴朗( 13 )、山下紀幸( 21 ) | |
(書記・総会・評議員会担当) | 三浦直樹( 09 )、高橋雅( 16 )、奥谷公亮( 29 ) | |
(慶弔関係) | 小尾岳士( 02 )、矢吹映( 09 ) | |
会計(総括) | 矢吹映( 09 )、帆保誠二( 62 )、 | |
会報編集(総括) | 藤木 誠( 07 )、小尾岳士( 02 )、一二三達郎( 22 )、古澤悠( 24 )、野口亜季( 25 ) |
大学と紫友同窓会の歩み
獣医学科 | 紫友同窓会 | ||
---|---|---|---|
昭和14年(1939)4月 | 鹿児島高等農林学校の一学科として獣医学科が増設される。(第1期生から5期生) | ||
昭和19年(1944)4月 | 鹿児島農林専門学校へ改称、獣医畜産学科となる。(第6期生から10期生) | ||
昭和24年(1949)5月 4月 |
鹿児島大学農学部獣医学科となる。5講座で発足 獣医師法交付により、修業年限4年で国家試験受験資格のため、昭和26年卒業の10期生は、獣医専攻科に1年間在籍して、国家試験を受験する。 |
昭和24年10月 | 同窓会準備委員会発足 |
昭和25年1月 3月 4月 6月 |
「紫友」創刊号発刊 「紫友」2号発刊 第1回同窓会総会が開催され、「紫友会」を設立 「紫友」3号発刊 |
||
昭和28年(1953)3月 |
農学部獣医学科第1回生卒業(第11期生) |
昭和26年7月 昭和28年7月 昭和30年7月 昭和31年7月 |
「紫友」4号発刊 「紫友」5号発刊 「紫友」6号発刊 「紫友」7号発刊 |
昭和33年(1958)3月 | 獣医学科創立20周年記念式典 | 昭和33年3月 | 「紫友」8号発刊(創立20周年号) |
昭和35年(1960)4月 | 家畜外科学講座増設、家畜臨床学講座は内科学講座へ改称 | 昭和36年3月 昭和38年3月 |
動物慰霊碑建立 「紫友」9号発刊 |
昭和39年(1964)4月 | 家畜細菌学講座が家畜微生物学講座に改称 | ||
昭和40年(1965)4月 | 獣医学科本館が農学部2号館に移転(旧対学寮跡、現在位置) | ||
昭和41年(1966)4月 | 家畜病院竣工移転(現大動物診療センター) 大学院修士課程設置 |
||
昭和42年(1967)4月 | 家畜薬理学講座増設 | 昭和43年4月 昭和50年4月 昭和51年11月 |
「紫友」10号発刊 「紫友」11号発刊 「獣医学部昇格推進委員会」発足 |
昭和52年(1977)5月 | 獣医師法の一部改正で、国家試験受験資格が6年間の獣医学課程を終了したものとなり、53年入学生から修士課程積み上げとなる。 | 昭和52年9月 12月 |
「鹿児島大学獣医学部昇格期成同盟会」設立 「紫友」12号発刊 |
昭和54年(1979)4月 | 獣医公衆衛生学講座増設 | ||
昭和55年(1980)4月 | 家畜臨床繁殖学講座増設 | ||
昭和58年(1983)5月 |
学校教育法一部改正により、昭和59年入学生から6年制へ移行 |
昭和57年10月 | 「紫友」13号発刊 |
昭和61年6月 昭和63年3月 平成元年11月 |
鹿児島県および大学へ学科存続を陳情 「紫友」14号発刊 獣医学科創立50周年記念式典、祝賀会を開催 実習用自動車「紫友号」寄贈と「紫友の碑」を建立 |
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平成2年(1990)3月 4月 |
獣医学教育6年制による最初の卒業生(獣医学士) 山口大学大学院連合獣医学研究科発足(博士課程) |
平成2年3月 平成5年5月 平成7年4月 平成8年4月 平成11年12月 平成13年12月 |
記念誌「紫友50年の歩み」を発行 「紫友」15号発刊 「紫友」16号発刊 「紫友」17号発刊 「紫友」18号発刊 「紫友」19号発刊 |
平成14年(2002)4月 | 産業動物獣医学講座増設 | 平成14年7月 | 鹿児島大学創立50周年記念事業へ50万円寄付 |
平成15年3月 12月 |
鹿児島大学BSEプロジェクトへ10万円寄付 「紫友」20号発刊 |
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平成16年(2004)4月 | 国立大学法人化 | 平成17年9月 |
「紫友同窓会学術基金」を設立し、会員へ寄付要請 |
平成18年4月 | 獣医学科改組 臨床病理学、分子病態学、新興感染症学分野設置(13研究分野) |
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平成19年(2007)4月 | 画像診断学分野設置 | 平成19年6月 7月 |
新設された5研究分野へ奨学寄附金各100万円を贈呈 「紫友」21号発刊 |
平成20年(2008)12月 | 軽種馬診療センター完成(日本中央競馬会寄贈) | ||
平成21年(2009)1月 2月 |
実験動物学分野設置 寄生虫病学分野設置 |
平成21年1月 7月 12月 平成22年3月 7月 |
新設された研究分野へ奨学寄附金50万円を贈呈 農学部開学100周年記念事業へ30万円寄付 新設された研究分野へ奨学寄附金100万円を贈呈 ベストクラスメート賞授与 口蹄疫共同募金会(鹿児島県50万円、宮崎県30万円)へ寄付 |
平成23年(2011)4月 | 附属越境性動物疾病制御研究センター設置(病態制御部門、病原体研究部門) | 平成23年3月 11月 |
「紫友」22号発刊 ベストクラスメート賞授与 新設センターへ奨学寄附金100万円を贈呈 |
平成24年(2012)1月 | 代謝・内分泌学分野設置 | 平成24年1月 3月 |
新設研究分野へ奨学寄附金100万円を贈呈 ベストクラスメート賞授与 |
獣医学科 | 紫友同窓会 | ||
平成24年(2012)4月 6月 |
鹿児島大学共同獣医学部獣医学科創設記念式典 記念講演、記念式典開催 |
平成24年6月 | 共同獣医学部へ奨学寄附金50万円(祝賀会支援)を贈呈 |
平成25年10月 | 獣医学教育改革室設置 | 平成25年3月 | ベストクラスメート賞授与 |
平成26年(2014)7月 | 附属越境性動物疾病制御研究センター高度封じ込め実験施設開所式、祝賀会開催 | 平成26年3月 8月 10月 12月 |
ベストクラスメート賞授与 テント2張り寄贈 新設研究分野へ奨学寄附金50万円を贈呈 共同獣医学部へ奨学寄附金50万円(EAEVE非公式診断支援)を贈呈 「紫友」23号発刊 |
平成27年(2015)12月 | 鹿児島大学総合動物実験施設竣工、情報交換会開催 | 平成27年12月 | 「紫友同窓会会報」創刊号発刊 |
平成28年(2016)4月 | 大崎町に大隅産業動物診療研修センターを設置 | 平成28年3月 6月 10月 |
ベストクラスメート賞授与 鹿児島大学「進取の精神」支援基金へ100万円寄付 熊本震災復興支援義援金15万円を寄付 共同獣医学部へ奨学寄附金110万円(診療車購入支援)を贈呈 |
平成29年(2017)6月 10月 |
AAALACインターナショナル(国際実験動物管理評価認定協会)の認証取得 鹿児島大学共同獣医学部附属動物病院新営および改修工事完成内覧会開催 EAEVEによる公式事前診断を受審 |
平成29年3月 6月 9月 11月 |
ベストクラスメート賞授与 附属動物病院開院に絵画を贈呈11万円 第160回日本獣医学会学術集会へ15万円を寄付 会員名簿「紫友」2017年版発刊 |
平成30年(2018)4月 | 大学院共同獣医学研究科獣医学専攻(博士課程)設置 | 平成30年3月 7月 |
ベストクラスメート賞授与 第1回卒業記念パーティー共催へ10万円を寄贈 鹿児島大学「進取の精神」支援基金へ100万円寄付 |
平成31年(2019)3月 令和元年6月 12月 |
公財)大学基準協会による獣医学教育認証を取得 EAEVEによる公式診断を受審 EAEVEによる完全認証を取得 |
平成31年3月 令和元年6月 |
ベストクラスメート賞授与 第2回卒業記念パーティー共催へ10万円を寄贈 共同獣医学部へ奨学寄附金30万円(EAEVE公式診断支援)を贈呈 |
令和2年(2020)6月 | AAALACインターナショナルの再認証取得 | 令和 2年 3月 10月 |
ベストクラスメート賞授与 学生の学外実習に伴う旅費の支援10万円 |
令和3年(2021) | 令和3年3月 4月 12月 |
ベストクラスメート賞授与 学生の学外実習に伴う旅費の支援10万円 会員名簿「紫友」2021年版発刊 |
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令和4年(2022)3月 | 動物実験のレジデントプログラム(小動物)認定 | 令和4年3月 4月 |
ベストクラスメート賞授与 学生の学外実習に伴う旅費の支援10万円 |
令和5年(2023) | 令和5年3月 4月 |
ベストクラスメート賞授与 学生の学外実習に伴う旅費の支援10万円 |
(順次追加致します)
紫友同窓会規則
ただいま準備中です。
紫友同窓会事務局
連絡先(住所、メールアドレス、お名前)等に変更がございましたら、事務局へご連絡下さい。
【紫友同窓会事務局連絡先】
今年度から事務局を担当しています外科学の三角です。
ホームページの更新も継続していきますので、掲載して欲しい情報がありましたら、以下までご連絡ください。
TEL:099-285-8731(臨床獣医学講座外科学分野)
E-mail:shiyu_dousoukai@vet.kagoshima-u.ac.jp