写真中央・左:遠藤泰之学部長 右:白石光也副学部長、写真・右端:大塚彰副学部長 左端:有村卓朗獣医学教育改革室長
南日本新聞:2026年(令和8年)7月20日 月曜日 9面 「教育」掲載(全文転載:裁許)
【報告記者会見のポイント】
・欧州獣医学教育機関協会(EAEVE)の国際認証を更新しました。
・この認証の二度目の取得は欧州外の教育機関で初めてとなります。
・鹿児島から世界に通用する獣医師人材の育成がより強固なものになります。
鹿児島大学共同獣医学部は、獣医学のグローバル人材の育成と世界水準の獣医療の提供を目的として、学部運営組織、教育カリキュラム、施設設備、教育資源などの継続的な改善と、それらの品質評価システムについて長年にわたって抜本的な改革に取り組んできました。その外部評価の指標として、2019年6月に日本を含めたアジアの高等教育機関として初めて、*EAEVE(欧州獣医学教育機関協会)による獣医学教育の国際認証を取得しましたが、有効期間は7年間のため、この度本認証を再取得しました。この認証の二度目の取得(更新)は、欧州外の高等教育機関で初めてとなります。

*EAEVE:欧州の獣医学高等教育機関(獣医系大学)による共同運営の協会で、1)卒業する獣医師と行われている獣医療サービスは信頼できるか、2)学生の受ける教育が一定の水準に到達しているか、3)教育カリキュラムや施設設備が定められた基準に合致しているか、について公的な組織として認証評価を行う。EAEVEメンバー校は欧州を中心に世界45ヵ国にまたがり、認証を取得している教育機関は31ヵ国の89におよぶ(2026年7月現在)。
【背景】 新型コロナウイルスで全人類が経験したような人獣共通感染症や、豚熱や口蹄疫といった越境性感染症などに対する防疫需要の増大や輸入検疫の厳密化、またはイヌ・ネコなどの小動物やウシ・ウマ・ブタなどの大動物における獣医療の高度化や細分化に対する社会のニーズが高まっています。その結果、獣医学教育についても国際水準化が必要とされており、北米では米国獣医師会(AVMA; American Veterinary Medical Association)、また欧州ではEAEVEによる獣医学教育認証の取得を以って、教育の質の担保を行うのが一般化されています。一方、アジア圏においては国際基準に基づく認証評価制度が存在しないため、そのような世界の潮流から立ち遅れているのが現状です。鹿児島大学では、そういった状況を改善し日本における獣医学教育改革の先鞭を付けるために、国際水準の教育の学生への提供とグローバル人材の育成を目的とし、獣医学教育に関わるあらゆる事項の改善をハード・ソフトの両面から継続して行っています。こういった教育改革への外部評価の指標として掲げてきたのが、EAEVE国際認証の取得です。
【概要】 2010年ごろから欧州基準に準拠した指標に基づく教育改革を進め、2019年の6月に初めての公式審査を受審し全ての欧州基準に達していると認められ、アジアで初となるEAEVE認証取得校となりました。EAEVE認証は7年間有効であり、前回の認証取得期間は2026年6月までとなることから、認証の更新のため2025年12月に二度目の公式審査を受審しました。その審査結果が、2026年5月末にスペインのバルセロナで開催された欧州獣医学教育委員会において審議され、正式に認証の継続が決定しました。本認証の更新は欧州外の教育機関で初であり、認証取得期間は2032年12月までとなります。
【意義と波及効果】 国際的な公的認証機関から国際水準の教育を行っているとのお墨付きを改めて得たこととなり、国際的にボーダーレス化が進んでいる疾病の制御や食の安全に関わる獣医師の育成機関として、アジアにおけるリーダー校としての責務が引き続き生じることとなります。加えて、日本有数の畜産地帯である鹿児島の地域特性を生かした欧州基準の獣医学教育プログラムの開発と実践によって、地域の活性化や獣医療水準の向上にも大きく貢献していきます。
また、EAEVE認証校として欧州の獣医師資格認定試験が免除される制度を利用して、これまでに2019年のEAEVE認証取得後の卒業生のうち3名が英国の獣医師免許を取得していますが、このような世界に通用する人材の育成にもさらに弾みがつきます。
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