鹿児島大学 共同獣医学部獣医学科 病態予防獣医学講座 新興感染症学研究室

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ご挨拶

動物に寄生して血を吸うマダニが出現したのは中世代と言われています。恐竜に寄生していたダニは人の頭くらいの大きさだったとの説もあります。驚くべきはその生存能力です。マダニは適応能力が高く、飲まず食わずでも長く生きられ、その中には長命で10年ほど生きるものもいます。さらに、一般的なマダニはオスとメスの交尾により子孫を残しますが、メス個体のみでも繁殖可能なフタトゲチマダニというマダニがいます。このマダニは、亜寒帯から温帯の幅広い地域に住み、どんどん生息域を拡大しています。このようにマダニは不思議な生物ですが、人獣共通感染症の原因となる病原体を媒介する害虫でもあります。蚊と比べても、マダニが媒介するウイルス、細菌、原虫などは段違いに多いうえ、その唾液自体もまひなどの症状を引き起こす毒素を含むことが知られています。私達はマダニやマダニ媒介性疾病の新しい防除技術の確立とともに、マダニの遺伝子やタンパク質、マダニの免疫機構を解明し、新たな用途に役立てることを目指して研究しています。


これまでに私達はマダニやマダニ媒介性病原体の生理現象を遺伝子やタンパク質レベルで解明してきました。このように、今まで得られた研究実績と新しい解析手法を取り入れながら、世界をリードする分子節足動物学研究を目指しています。

 

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