外科系 診療科



外科系 診療科

【整形外科】

体を動かすために必要な部分を運動器といい、骨、関節、靭帯、腱、神経、筋肉などが含まれます。本診療科はこれらの運動器の外傷や先天性の異常、炎症性疾患に対し、診断・治療を行っております。一般的な検査では診断が困難な症例に対しても、X線検査やエコー検査はもちろん、徒手検査やCT/MRI検査なども用いながら適切に診断を進めます。また整形外科の手術室は陽圧換気に管理されており、クリーンな環境で感染リスクにも最大限に配慮しながら手術を実施しております。
具体的には脱臼・骨折(各種骨折治療)や関節疾患(前十字靭帯断裂;TPLO、関節外法、そして膝蓋骨脱臼整復術、股関節形成不全;TPOにも対応)に加え、慢性関節炎、関節リウマチなどの内科的な運動器疾患の診断、治療や椎間板ヘルニア(片側椎弓切除術、ベントラル・スロット術)、外傷による脊椎損傷などの非腫瘍性脊髄疾患への対応も行っております。
超小型犬の骨折や特殊部位の骨折、難治性の跛行診断、癒合不全、特別な機器や器材を必要とする手術など、対応や手術にお困りの際はご相談ください。

前十字靭帯断裂に対するTPLO実施後のレントゲン写真
前十字靭帯断裂に対するTPLO実施後のレントゲン写真
前十字靭帯断裂に対するTPLO実施後のレントゲン写真

【軟部外科】

泌尿生殖器外科

腎臓から尿道にかけての様々な部位における外科手術など幅広く対応しております。尿管結石の症例に対しては、尿管切開術や腎瘻チューブ設置術などからSUBシステムの設置術など症例によって様々対応ができるようにしております。また、近位の尿管結石のような自己組織のみでの尿路の再建が難しい症例に対しても、膀胱弁形成(Boari flap, Modified boari flap)やRenal descensusなどを併用して尿管膀胱新吻合術を行うことで人工物を使わない手術の対応も症例によっては実施可能です。
また、生殖器の外科に関しても様々な疾患に対して外科療法を行っております。特に骨盤腔内の生殖器の腫瘍は、手術が煩雑になることが多いです。そのような症例に対してはまず術前にCTやMRI検査を実施し、尿道や直腸などの軟部組織との浸潤を評価します。その情報を踏まえて排尿障害などの合併症が起きないように手術計画を立案し、実際の手術に臨みます。また、先天性疾患であるAnovulvar cleftなどの遭遇頻度の低い稀な症例に対しても適切に診断・治療しております。
その他乳がん症例に関しては、その予後や診断・治療に関して研究を行い、予後予測や生存期間の延長について取り組んでいます。乳がんの中でも特に予後が悪いとされる炎症性乳がんに対しても積極的に取り組み予後の改善を試みております。

尿管閉塞の猫に対するSUBシステム設置術
小型犬での尿管切開術による結石摘出
小型犬での尿管切開術による結石摘出
近位尿管結石に対しての尿管膀胱新吻合術
近位尿管結石に対しての尿管膀胱新吻合術
炎症性乳がんに対する積極的外科治療
炎症性乳がんに対する積極的外科治療

開胸手術

開胸手術は、主に肺腫瘍や胸腺腫などの胸腔内腫瘍を摘出する際に実施されます。開胸手術における胸腔アプローチ法には、肋間開胸法と胸骨正中切開法の2種類があります。肺葉切除では肋間開胸法、縦隔腫瘍の摘出では胸骨正中切開法を選択しています。
肋間開胸法では、術前のCT画像を参考に肺門部の処理が行いやすい肋間へアプローチします。主に第4-6肋間の切開を選択しますが、切開の位置に迷う場合は肋骨の吻側に動きやすい特徴から尾側の肋間を選択しています。肺葉切除では、肺腫瘍の存在する位置や大きさによって、部分肺葉切除と全肺葉切除のいずれかを選択しています。当院では、手術時間の短縮を目的として、ステープラーによる部分肺葉切除を実施することがあります(写真)。

開胸手術
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